第1章

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彼氏いません。 今までの17年間で何回か付き合ったことはありますが、同級生の男子にはなぜかときめかないのです。 なぜかって? そんなの私が聞きたいくらいです。 今? 友達のナツ、ヒナとカフェでお茶をしながら、愚痴っています。 そして、嫌な話題に。 「美雪ちゃんって、どうしてモテるのに断っちゃうの?」 どうしてって…好きじゃない人と付き合いたくないもん。 「本当だよ!なんかフるのを楽しんでるみたいでムカつくわ」 「ちょっと私にも言い訳させてよね! モテるわけじゃないし、フるこっちは罪悪感だらけなの! ナツもヒナもご理解くださいな。」 本当に、あの寂しげな顔は見てる方もつらいんだよ。 恋なんて10年以上してないから、気持ちはよくわからないんだけれど。 「うわー」 「いや、その目はやめて」 気づけばナツは汚いものを見るような目で、私を見ている。 結構ナイーブなんで、傷つきます! 「あ!もうこんな時間だー 私はこれで帰らせていただきますー」 「おいおい…逃げてるのバレバrって速っ!」 本当は私だってちゃんと、好きな人を見つけて素敵な恋をしてみたい。 きっとまだ出会えていないだけ。 ドンッ! 走っていたから、自転車に思い切りぶつかって倒れてしまった。 「…大丈夫?」 見上げると、20代くらいの男の人だった。 自分の自転車が倒れているのに、私に手を差し伸べてくれている。 「だ、大丈夫です! 自分で立てますから…痛っ!」 「ごめん! やっぱり足、捻ってるっぽいね。」 男の人がそう言った瞬間。 私の体はふわっと宙に浮いた。 「!?」 マンガのシチュでよくあるお姫様抱っこ状態。 「このままじゃあるけないでしょ? 病院連れて行くから。」 「すすす、すいません!///」 何でもないように、やってのける彼に大人の余裕を感じた。 よく見るとこの人、芸能人みたいにカッコイイ。 心臓が大袈裟に高鳴って、触れている部分から伝わってしまいそうな気がする。 「顔真っ赤、足痛む?」 「だ、大丈夫…です!///」 赤くなっていたのがバレて、余計に恥ずかしくなった。 「…俺のせいで、ごめんね。」 悲しげな表情も、綺麗だなぁ。 この人なら… なんて、何考えてんだ私。 名前も歳も何もわからないのに、こんなに男の人にドキドキしたの初めてだ。
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