【Diary】

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『12月13日 大丈夫。俺は絶対に今を忘れないから。 そんなふうに言えればいいのに、少し自信がない。 忘れても、また好きになりたい。 元に戻りたくない。 俺は俺のまま、このままずっと奈々を好きでいたいのが一番の希望』 『12月14日 康之たちと遊んだ。 なんかやっぱり里英とつきあってるの、なんでだかわからない。 そんなにおまえは里英が好きだった? なんで俺は里英じゃなくて、奈々を好きになってる? 俺はおまえじゃない。 けど、おまえが奈々を好きじゃないとは言わせてやらない。 俺の気持ち、奈々に言った言葉、嘘にしたくない』 『12月15日 テスト、思ったより簡単だった。 俺、もしかして頭いい? 帰り、里英に聞いたら、笑われた。 里英はけっこう笑う。 おまえは里英のそういうとこが好きだった? 俺は奈々のどこが好きなんだろう? なんかこわいし、いじめてくるし、素っ気ないし。 でも、たまにすごくかわいく見える。 笑ったらマジかわいい』 『12月16日 テストだから呼び出しなし? 会いたいのに。 これってセフレっていうのかなって思った。 本気のセフレってなに?』 『12月17日 テスト終了。 そういや一度も部活いってない。 バスケなんてできるのか?俺。 でも部屋にボールあるんだよな。 奈々からの呼び出しないし、外で少しドリブルしてみた。 体がその感覚覚えているみたいだ。 けど、下半身鍛えないと、試合きつそう。 どうせ下手くそだっただろ』 むっ。 1年の時から、期待されてレギュラーだっ。 こいつに言われたくないっ! そのバスケの途中、足ひっかけられて転んで、頭うって、そのまま2ヶ月、記憶喪失。 俺はドジじゃないっ。 足ひっかけたやつのせいだっつぅのっ! 事故ったこいつがドジっ! …って、俺、頭よくないぞ? 俺は2学期末の答案を探してみた。 出てきた答案用紙、90点代ばかり。 俺は目を擦る。 何かのまちがいだろ? 思ってみても、確かにその点数で。 どうやら俺は2ヶ月、秀才だったらしい。 更にドジではあるけど、運動もできて? …今の俺、こいつになりたい。
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