カケラ 第3話

【Diary】

『12月18日
返ってきたテスト、２つも間違ってた。
100点とったつもりでいたのに、見直しせずに寝てたからか。
教師は誉めていたから、俺って馬鹿でドジで運動もできないやつだったみたい。
やっぱ俺は俺のままがいい。
今日は呼び出しあり。
いっぱいキスして、好きって言いまくってやった。
奈々の言葉、言うこときいて里英とつきあってるけど、里英に悪いような気がしてくる。
俺は奈々の奴隷。
奈々が望むなら、それでいい。
奈々の言葉は絶対』

『12月19日
最初の頃、この日記、三日坊主になると思っていたのに、けっこう書いてるなぁ。
しかも奈々と会えたら、書きすぎってくらい書いてる。
今日は奈々は里英と遊ぶらしい。
奈々は俺のこと好きなはずなのに、自虐体質？
次会えたらクリスマスプレゼント渡そう』

『12月20日
里英からクリスマスのこと聞かれた。
用事があるって、ないけど答えたら、24か25どっちでもいいから会いたいって言われた。
里英が俺のこと好きだと思うと、どんどんひいてしまう。
約束はしなかった。
考えておくって、偉そうな返事。
ごめん。里英。
奈々には言わないで。
怒られそう』

『12月21日
奈々から呼び出しあり。
けど、里英のこと言われただけ。
思ったとおり、里英は奈々に言ったみたいだ。
用意したプレゼントも渡せなかった。
溜め息ばっかり出てくる。
もう元に戻ったふりして、奈々が好きだから別れるって言ったほうがいいかも。
奈々を傷つけたくない。
俺は里英のこと、恋愛で好きだとは言えない。
それって里英のこと傷つけるけど、今の状態より全然いいと思う。
奈々の言葉は絶対って、ずっと思ってきてはいたけど。
俺は俺に正直でいたい。
俺の気持ちは、いくら奈々の言葉でもきいてあげられない』