【Diary】

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「もう一回、言い直せ。記憶喪失だった俺だけ求めてるとは言わせない」 俺は奈々の服の中に手を入れて、その素肌にふれながら服をめくる。 奈々は真っ赤になって震えるくせに、抵抗はしない。 「…オレサマな遥が…好き」 「最初からそう言えばいいのに」 俺は奈々を解放して。 奈々はそんな俺を振り返る。 その目が不満そうで。 「変なこと、されたい?俺が欲しい?」 奈々は俺の言葉に赤くなって俺の胸を叩いてくる。 俺は笑って、奈々から逃げるように下がって。 奈々は悔しげに俺の体の上に乗ってまで叩いてくるから、俺は奈々に押し倒された形になって。 奈々は上から俺を見下ろす。 俺はそんな奈々を見上げる。 「…好きって…言って。お願い」 なんかかわいいこと言ってくれる。 俺は両手を奈々の頭の後ろにのばして、その顔を引き寄せて。 すぐ近く、正面からまっすぐにその目を見つめる。 「好き。…キスして?」 目を閉じながら、奈々は俺の唇にキスをくれた。 もう、俺の気持ちもあいつの気持ちも、奈々は嘘にはしないようだ。 受け止められて、うれしくて頬がにやける。 あいつに負けないように、もっと奈々を好きになりたい。 奈々は俺の腕の中で、幸せそうに笑う。 2010.12.17 fin
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