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「本人は嫌がっているけどね、まぁ無理も無いけど…今はどうなんだろう? …って、すっかり私が話し込んじゃったわね」
綾子が一方的に話していたことに気付き、一拍置く。
「それで死神さんが私にどんな用事でしょう?」
それでは、本題ですね。
「綾子様、あなたは今日から3か月後に亡くなります」
「…あらまぁ」
「酷で急な宣告ですが、これも天命ご了承していただきます」
「そうですかぁ…」
綾子は特別表情に出さず一言呟くのみ。
「そして、決定した死の日まであなたはどうあっても死にません」
「そっか…! じゃあ、これから私は頑張らなくちゃね!」
どこかへ向けて気合を入れる綾子の表情は死を宣告されたにも関わらずイキイキしています。
「…本来私達は死の直前の数日に現れ仕事をします」
「?」
その稀に見ない表情に私も何か魅かれたのでしょうか?
「今日こうやって綾子様の前に現れたのは異例も異例です。なので特別です…これから大地震が起こります。それは混乱を呼び、数日は日常が機能しなくなります。時間が経っても多くが自殺やストレスで亡くなる等爪痕を起こすほど…」
「あら! じゃあ、大変じゃない! 通帳とか」
私の発言を目の当たりに信じ綾子は駆けだそうとします。
「いえ…時間にしてもうきます。危険なので此処にいましょう! 幸いにも家具が倒れる位ですので…」
そして、綾子が「え?」と返事した数秒後、地面が揺れ始めた。
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