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「安藤先生、君からも何か佐々木に言ってくれないか?どうしても安西先生に謝らないんだ。全く困った生徒だ。」
教頭先生は半分呆れながら安藤先生に頼んだ。
安藤先生の顔つきが急に変わった。
あ、何かキツいことを言われるんだろうな。
職員室にいた誰もがそう思ったことだろう。
しかし、安藤先生からでた言葉は思いもよらない言葉だった。
「佐々木、謝らなくていいからな。お前は悪くない。」
真剣に私の目を見つめながら安藤先生はそう言った。
「え…?」
私は驚いて声が裏返ってしまった。
「安藤先生!何を言ってるんだ!」
「安西先生は怪我までしたんですよ!」
他の先生達が口々に言う。
安藤先生は慌てる様子もなく落ち着いてこう言った。
「一番傷ついたのは佐々木だと思いますが。安西先生はただのかすり傷でしょ?佐々木は心に深い傷をおったんですよ。」
冷静に低い声でそう言う安藤先生はいつもの先生とは違って、とても大人に見えた。
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