4人が本棚に入れています
本棚に追加
その子の話によると
突然、いじめのターゲットにされ、
何故、自分なのかもわからないまま。
仲の良かった友人にさえも無視されるようになり、毎日が地獄だったという。
女の友情はガラスのように扱うくせにあっけなく割れて壊れてしまう。
表ではどんなに仲が良く映っていたって、結局の中身は誰にもわからない。
「私の名前は井上 優(いのうえ ゆう)。佐々木さんだよね?」
その子はまだ出しきれていない涙を手の甲でこすりながら笑顔で言った。
「なんで私の名前しってんのよ」
自分の名前を知られていたことに恥ずかしくなる。
「だって、佐々木さん。私の憧れだもん。なんか、強いっていうか頼りになるっていうか…」
「私、女なんだけどね。男だったら最高の褒め言葉だよ。」
真剣に言う私の顔を見て優はっぷぷ。と笑顔を見せた。
最初のコメントを投稿しよう!