始まり。

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僕はいつものようにハサミを持って教室を出ようとすると君が邪魔をするんだ。 「…もうほっといてくれよ」 「無理」 強情な女は嫌われるぜ?とかふざけた事言ってひとまず席につく。 珍しく冗談を言った僕を無視して君は言う。 「止めなよそんな事」 「それこそ無理」 だってハサミ一本じゃ死ねるわけない。 よく考えてみろ。 リストカットじゃなかなか死ねないんだ。 リストカットは死ぬためじゃなくて逆に生きるためにするんだ。 分かりやすく言えば自分を傷付けることによってストレスを発散させてるんだ。 最期の逃げ道だ 君は最後まで饒舌に話続ける僕を見ていた。 「OK?」 「今日何でそんなに元気なの?」 君はクスクス笑う。 「文句ならどうぞ」 「ううん。むしろ毎日そんな感じで居てくれないかな?」 「疲れちゃうよ」 僕は机に突っ伏した。
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