3人が本棚に入れています
本棚に追加
「………暑さでとうとう頭沸いたんですか あなた」
たっぷり三拍の沈黙の後、銀瑤は呆れ返った風情で口を開いた。
というか他に何を言ったらいいのか判らない。
「至って正常だよ」
すりすりと尻尾に頬擦りしているイーグルの表情は至福そのものだ。
じぃっとイーグルの湖底を思わせるエメラルドグリーンの眸が見つめてくる。
その視線の先は。
「…なんですか?」
「銀瑤 お願いがあるんだけど」
「お断りします」
嫌な予感しかしない銀瑤はイーグルが「お願い」を口にする前に拒否する。
「まだ何も言ってないじゃん!!せめて聞くだけ聞いてから答えてよ!?」
「あなたの「お願い」なんざ録なことじゃないのが判りきってるからこその返答ですよ!!」
じぃっとイーグルの見つめてくる視線のその先は銀瑤の耳。
「…ひどいよ 最初からそんなこと言うなんて…俺にとっては切実なお願いなのに」
しょんぼりと悲哀に満ちた眸に銀瑤がバツの悪そうな顔になる。
「……ま、まぁ 聞くだけなら聞いてあげますよ」
嘆息交じりに言えばぱぁっとイーグルの表情が笑みに変わった。
「耳 ふにふにさせて?」
最初のコメントを投稿しよう!