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「何言ってんだ 変態」
もう条件反射とも取れる速度で銀瑤は辛辣に返す。
以前もあったような気がするが気のせいだ。
たぶん。
きっと、恐らくは。
「だから変態じゃないよ!?俺は紳士だって言ったじゃん!!久しぶりに逢ったのに銀瑤ひどいよ!?」
「どう贔屓目に見ても変態でしょうが!?どこが紳士だ!あれか!?変態紳士か!?久しぶりに逢ったのにそんな要求するあなたのがひどいですよ!!」
ぜぇぜぇとお互いに息を荒げて暫し不毛なやり取りを続ける。
「ふにふにしたい」
「だが断る」
尻尾に顔を埋めながらねだるイーグルを銀瑤はさっくり切り捨てた。
「したい」
「なら尻尾から離れろ」
「それは嫌だ」
「若 失礼しますよ」
地の涯てまで蹴りが付かなそうな不毛な会話を繰り広げていると低い声とともに障子が開かれる。
瞬間、銀瑤とイーグルと訪問者の時が止まる。
入って来たのは宿禰家の使用人。
「…失礼しました」
「待て!!頼むからいなくなるなっ!何か用があったんだろう!?鳳鴇!!」
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