10【拾った物】

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{2} その『目黒』と書いたネームプレートを胸に付けた眼帯の年配警備員は終始、ニコニコと満面の笑みを浮かべながら店内を行き交う客達に対して会釈をしていた。 と… 不意に、雑踏の中から もう一人、別の警備員が足早に眼帯の警備員に近付いた。 そのもう一人の警備員は、星咲であった。 二人の警備員は、険しい表情で何やらぼそぼそと小声で会話をしていたが 眼帯の警備員が小さくうなずくと、星咲も小さくうなずき雑踏の中へと消えて行った。 残った眼帯の警備員は、満面の笑顔に戻ると周囲に対して再び愛想を振り撒き始めた…。
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