11【魔楽器】

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「…うん?」 と、大山老人の中にある『疑問』が浮かんだ。 だとしたら… 秀一郎の方は、大山の事をどうやって思い出したのだろうか。 この前、秀一郎の方から電話を掛けてきた時は、 嬉しくてそこまで気は回らなかったが…。 もしかして… 秀一郎は、六十年間もの長きにわたり、大山の事を覚えていたと言うのか…。 やはり、 自分と秀一郎の間には、当時何か『忘れられない程の強烈な繋がり』が有った、という事なのだろうか…。 「………あ…」 と、その時… 大山老人の脳裏に、今まですっかり忘れていた昔の記憶が… まざまざと、よみがえった。 「……………」 大山老人は、思い出したのだ。 当時、幼かった自分が… いや、自分を含めた島の人々が… 少年だった的場秀一郎に… 一体… 『何をしたのか』を………。
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