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「…うん?」
と、大山老人の中にある『疑問』が浮かんだ。
だとしたら…
秀一郎の方は、大山の事をどうやって思い出したのだろうか。
この前、秀一郎の方から電話を掛けてきた時は、
嬉しくてそこまで気は回らなかったが…。
もしかして…
秀一郎は、六十年間もの長きにわたり、大山の事を覚えていたと言うのか…。
やはり、
自分と秀一郎の間には、当時何か『忘れられない程の強烈な繋がり』が有った、という事なのだろうか…。
「………あ…」
と、その時…
大山老人の脳裏に、今まですっかり忘れていた昔の記憶が…
まざまざと、よみがえった。
「……………」
大山老人は、思い出したのだ。
当時、幼かった自分が…
いや、自分を含めた島の人々が…
少年だった的場秀一郎に…
一体…
『何をしたのか』を………。
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