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腕時計を見ると…
時刻は、もう夕方の四時…。
マリ子は三時間以上、眠っていた事になる……。
「あ、二時からのビンゴゲーム大会行けなかった…。ごめんね。頼子」
「そんなの別に良いの…」
「いや。娘さんから聞きましたよ。夜間、お仕事されてるそうで。夜は仕事で昼間は家事って大変ですよね。
しかも、お一人で娘さんを育ててるんですって?きっと、疲れていたんですよ」
年配警備員が優しい口調で言った。
きっと、そうなのだろう…。
最近は、昼間もろくに寝ていない気がする…。
「実は、私も昨夜は夜勤で今日も継続して日勤なんですよ。
いやぁ、この歳だとコタえますな」
年配警備員が頭をかきながら笑った。
「そうなんですか。大変なんですね」
「いえいえ…」
さて…
今日は、いろいろ有ったけど、もう買い物して家に帰ろう……。
マリ子は、ぼんやりと思った。
でも…
結局、あの…よくスナックに来ていた『目黒って名乗っていた青年』は、
一体、何者だったのだろう…。
島の人間だったのか、
それとも、もしかして旅行者だったのか…。
『目黒』って名前も、果たして本名だったのだろうか…。
ルーク・ショッピングセンターで警備員をしているって話も…
口から出まかせだったのだろうか…。
でも…何のために?
まあ…
良いか………。
マリ子は、少し疲れ気味だった。
恐らく、
さっきのイベント広場で見た『目玉』も…
本当にマグロの目玉だったのだろう…。
きっと、鮮度か何かの関係で、たまたま瞳の色が緑色に変色したマグロの目玉を見て、
私が勝手に『変な想像』をしてしまっただけなんだわ…。
マリ子は、そう思う事にした。
さて…。
家に帰って…
今夜もスナックを開店させて頑張ろう…。
いや…。
それとも…。
マリ子は考えた。
今日は、頼子にも心配かけてしまったし…
今夜は、お店を『臨時休業』にして…
たまには頼子と一緒に過ごそうか…。
「どうしようかな…」
マリ子は迷った。
今夜は、お店を『臨時休業』にして頼子と一緒に過ごそうか…。
いや。仕事は仕事。
いつも通り、お店を開店させて頑張ろうか…。
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