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もちろん、これは極めて荒唐無稽(こうとうむけい)な話であり、
にわかには信じ難い。
そう都合良く海藻が絡み付くとは思えないし、
もし絡み付いたとしても海流によって土砂が降り積もる前に『浮き島』は流されて行ってしまうだろう。
しかし、
この海藻を絡み付かせ土砂を積もらせたのが、
『人の手によるもの』と考えたら、決して不可能な話ではない。
ただ、あくまでこれは歓楽島にまつわる神話が『実際に起こった話』として仮定した上での推論話であるし、
昔の潜水技術を考えると、日本海沖の深海に人間が長時間潜って作業をするのは、極めて困難な事である。
そこで考えられるのが、
『魚人(ぎょじん)』の存在である。
歓楽島に残されている古い文献には『魚人』の存在が、はっきりと記されているのである。
長時間、水中に潜っていられる『彼ら』なら、長い時間をかけて『浮き島』と海底を繋ぎ、一つの島にしてしまう事も可能ではないだろうか。
『彼ら』は太古の昔から海底に住み着き生活を営んでいた。
そこへある日、巨大な『浮き島』が彼らの生活圏の『頭上』に流れ着いた。
かねてから、自分達の陸地が欲しいと考えていた彼らは、
その『浮き島』を長い時間をかけて海底と繋ぎ、歓楽島を完成させた。
そして、そこに住み着いた。
だとしたら、
北海道の先住民のアイヌが、歓楽島だけには住み着かなかったという事の説明がつく。
住み着こうにも『先客』の魚人がいて、住み着けなかったという訳だ。
ちなみに、
今だかつて、その魚人の化石等が発見されていない事に関しては、
彼らが深海で生活していたので発見されずらかった事と、
死んで骨だけになった時に『人の骨と、そう見分けが付かないくらい類似していた』ので海で溺死した人の骨として片付けられてしまっていたのではないだろうか。
という事は、
彼らの容貌は西洋の『半魚人』の様な『異様な姿』ではなく、
エラや水かきくらいは、持っていたかもしれないが、その他は『人とそう変わらない姿』だったのかもしれない。
また、陸地に住み着く事もできたのであれば、
水中でのみ呼吸可能な『エラ』だけを持った『魚類』ではなく、
陸上での呼吸が可能な『肺』をも兼ね備えた『両生類』だったのかもしれない。
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