第1章

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「いつも俊介がお世話になってます。 俊介の幼馴染の山下 美沙です。」 美沙はそう言って恭平に頭を下げた。 「い、いえ!こちらこそ! 葛城 恭平っす!よろしくっす!」 慌てて恭平も美沙に頭を下げた。 いつもおちゃらけた恭平が 少し頬を染めて、今まで見たことがないような顔で笑っている。 人が恋に落ちる瞬間。 それは本当に一瞬で、 怖いくらいに心を支配する。 きっと誰にも止められないし 止める権利なんてないんだろう。 僕はずっと恭平を見てきたし、 それを経験したことがある。 だから、わかるんだ。 恭平の心が美沙で支配された。 イラスト/静蘭さんimage=485666471.jpg
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