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「いつも俊介がお世話になってます。
俊介の幼馴染の山下 美沙です。」
美沙はそう言って恭平に頭を下げた。
「い、いえ!こちらこそ!
葛城 恭平っす!よろしくっす!」
慌てて恭平も美沙に頭を下げた。
いつもおちゃらけた恭平が
少し頬を染めて、今まで見たことがないような顔で笑っている。
人が恋に落ちる瞬間。
それは本当に一瞬で、
怖いくらいに心を支配する。
きっと誰にも止められないし
止める権利なんてないんだろう。
僕はずっと恭平を見てきたし、
それを経験したことがある。
だから、わかるんだ。
恭平の心が美沙で支配された。
イラスト/静蘭さん
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