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ストレートの長い黒髪。切れ長の目。
東洋人的美人の王道。
ひとめ見て、恋愛ゲージが振りきった。
オレの紗菜への気持ちは、完全に彼女への想いに上書きされてしまった。
残念なのは、彼女が自分の夢の中でしか、存在していないことだ。
また、同じ夢が見られる保証はない。むしろ、もう二度と会えない可能性のが高い。
忘れるより仕方ないのかと思うと、憂鬱な気分になる。
授業なんか、まるでやる気にならない。体育のハンドボールも、よそ見してボールを顔面に受けてしまう始末。
いっそのこと、頭でも打って気絶して、夢で彼女に逢えたらいいのに……。
しかし、世の中は、そう都合よくできていない。
鼻血を出したオレは、体育を離脱し、保健室で手当てを受けてもらうことにした。
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