第1章~ 何度、偶然を装って声を掛けようと思ったか。

2/8

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
「……涼…?……どうだったの……?」 「……まぁ、なんとか……。でも、厳しい……」 「そっか……えっと……」 本当は望みなんて、ないに等しい 学力とか、素行とか、経済面とか関係なく、この”体質”では教師になるどころか大学さえいけるのかどうかもさだかではない それが何の問題もなく可能になるとしたら、それはこの”体質”を誰にも悟られず、完璧に隠し通した場合のみであって…… けど、それは不可能だ 隠せば後々、とりかえしがつかないことになる かといって、知れ渡ってしまってもそれはそれで問題になってしまうが…… 「……諦めちゃ、だめだよ。……ほら、あの…さ、鈴木先生も頑張ってくれてるし、さ。」 「………うん。」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加