鳳仙花 釼はこうして死んだ

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夏真っ盛りの7月後半数名の学生が海に来ていた。 人数は3で、内訳は男2人に女1人である。 「やっとついたのー2時間も車のりっぱじゃと流石に疲れっな」 そう愚痴ったのは身長2mを超え肩幅も大きい、ゴッツイ男である。 スポーツ刈りにタンクトップというと完全アウトドア派の大男である。名前は丘 大地(オカ ダイチ)という。それを苦笑いしながら見ているのは150センチに満たない小柄な少女で名前は泉 鈴音(イズミ スズネ)である。肩ほどで切り揃えられた栗色の髪の上には黄金色が眩しい麦わら帽を被っている。 「大ちゃんは運転だっから尚更だよね」 たはは、と笑いながらシルバーの小型車を見やる。 「それよか鳳仙花はまだ寝とんのか?」 「んーんさっき砂浜にビーチパラソルと敷物広げてたよ。」
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