第五話  憂鬱

13/26
前へ
/26ページ
次へ
桜田は、最後までアキの異動には反対していた。 企画部には、古田もアキも必要だと思ったからだ。 だが、上の決定は覆ることなく、アキの異動が決定してしまった。 古田を企画部に戻して欲しいとアキに言われた時、桜田の心の奥では嫉妬していた。 もう一人の桜田がこう言っていた。 「何をいい子になってるんだ。 古田が居なくなれば、もう嫉妬する事はなくなるだろう。 アキの頼みなんて聞く必要はない。 古田を異動させて、アキから離すんだ」 こんな思いと戦いながら、桜田は古田を企画部に残す決断をした。 だが、この決断が後悔する事になるとは…。 この決断が自分に降りかかり、アキとの距離が離れてしまった…。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加