第五話  憂鬱

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そして、アキは思った。 ”暗い顔で仕事してたら、皆が心配しちゃうよね。 前みたいに、笑って仕事しなくちゃ。 悲劇のヒロインになってちゃダメだ” そう言い聞かせ、タバコを一本吸って、会議室に戻った。 会議室に戻ると、桜田の姿はなく、三人は楽しそうに話していた。 「アキ、早く食べないと時間なくなるよ」 ゆいにそう言われ、アキは笑ってうなづき、お弁当を食べ始めた。 きっと三人は何か言いたいはず。 でも、何も言わずに居てくれている。 言葉にしなくても伝わって来る。 ”頑張れ”と言ってくれてる声が。 この頃、桜田は屋上でコーヒーを飲んでいた。 朝は雨が降っていたのに、今はすっかり雨は上がり、天気が良かった。
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