第五話  憂鬱

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その大規模なプロジェクトを任されるのだから、桜田課長は凄腕と言えるだろう。 商品開発管理部と企画部の合同と言われているが、その両方の部署からの選出は意外に少ないのが不思議な気がするが…。 「星川、今日の十時から、第二会議室で打ち合わせをして、午後から顔合わせだそうだ。 企画部のメンバーも参加だから、星川も参加してほしいとの事だ」 ”顔合わせだけじゃないんだ…” 『はい、分かりました』 パソコンに向かって、アキはため息をつく。 そして、キーを打ち始めた。 午前九時五十分、林部長から声を掛けられ、アキは席を立ち、重い足取りで会議室へと向かう。 林部長は、どうしても外せない用があると言って、午前中の打ち合わせには参加しない。 会議室のドアの前に立ち、ドキドキを必死に落ち着かせていた。
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