もしミステリ作家が犯罪者になったら

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       【3】  「ぐるにゃん警部、本当に諦めちゃったようだよホンノンさん」  シギが小声で久留米警部が部屋の前から立ち去った事を伝えてくれた。  「よくこれで見つからなかったですね」  本当よね蛍。  久留米警部なら、恐らく僕の裏をかいてくるだろうと思っていたし、罠の可能性も疑って来るだろうと予測していた。  それにしても僕が聞いていないと思ったのか、会話がまる聞こえだったけど、僕の弱点を突く作戦に出る積もりらしいが、 罠を張るタイミングが早かったのか、聞きそびれてしまったな……。  そう言う僕は此処で黙々と煙草吸っていて、他に何もしていないけど。  「凄い、本当に警官三人を撒いちゃった」  櫻子は目を丸くして驚くが、まだ油断は出来ない、久留米警部と岡野警部補と石黒刑事が確実に部屋から立ち去ったのか確認しなければ作戦は成功とは言えないな。
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