もしミステリ作家が犯罪者になったら

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 これが久留米警部でなければ本当に諦めて退散してくれている可能性が高いんじゃが、 彼女に限ってはそうではない。  目利きのぐるにゃんの事だ。 諦めたと思わせて扉の前で僕を待機している可能性もある、だからこそ確認してえかなければならないのだが、  「ミステリ講座もいよいよ大詰めと言った所かな。シギ、ちょっとこっち来んさい」  腰に携えたモデルガンに手を掛け、シギを呼び出した。最終手段に出る事を考えなければ。  「滅茶苦茶、やな予感しかしないんだけど」  シギはそう言いながらも恐る恐る僕の後に続く。 久留米警部達の目的はこの部屋にいる女子高生三人の救出だ、一人でも負傷すれば、久留米警部達の目的は未遂に終わる。 彼女達もそれは回避したい筈だ。
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