もしミステリ作家が犯罪者になったら

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 シギを引っ張り出して後頭部にモデルガンを押し当てた。  「三人共、妙な動きをすればこの子を撃つよ、無駄な抵抗は辞めてさっさと投降しなさーい」  これで形成逆転だ。本気で撃つきは無いが、久留米警部達は僕に近付けない筈だ。  「ホンノンさん、後頭部でゴリゴリしないでよ、痛いって」  シギがそう言って嫌がると、  「ほんちーオジサマやり過ぎです」  「市さん、それはヤバいって」  蛍と櫻子が止めに来た。  「後の二人も其処にいるのね? 今助けるわ、本市平次、銃を下ろしなさい」  しまった、蛍と櫻子がいる事までバレてしもうた、銃を構えたは良いが僕はこの状態から動けないし、シギを離す訳にもいかないし…。  「降ろすのはそっちが先じゃろ」  「何言っとんね。あんたが先よ」  僕と久留米警部達の膠着状態が続く。早く打開したいが、下手に動けない。どうする? 取り敢えず、シギと後方に下がって脱出路を探すか。  
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