もしミステリ作家が犯罪者になったら

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 「私達のミスを誘発するのが彼の目的?」  朔ちゃんの言う通り、本市平次は私達のミスを誘発する為の罠を仕掛けてくる筈だ。  考えられるのは私達を誤った位置に誘導し、その隙に逆方向から逃亡を図る作戦に出る事。 人質三名を巧く利用すれば出来なくも無い遣り方だ、三名が受講生である事を口実に講義の一環だと言って囮に使い、更には私達捜査チームの目的が人質の救助である事を利用して誘い込む積もりだろう。 まだ推測に過ぎないが。  「警部の考えとは何ですか?」  かず刑事が訊ねて来る。  「良い質問ね、彼の弱点は二人ともご存じ?」  「脚じゃない?」  「脚です」  厭、確かに本市平次は韓国系の細めの脚フェチではあるんだけど、  「まさかまたチャイナドレスとかアオザイ着ろっての?」  「私もですか?」  朔ちゃんとかず刑事が同時に詰め寄ってくる、然し、私は何もスリットの話をしたのでは無いのだが。  
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