第7章※

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気が付けばかなりの時間が経っていたらしく、 二限目始まりのチャイムが鳴り響いた瞬間、広田が慌ててその場から立ち上がった。 「あ、やっべぇ。俺のクラス次数学の小テストだわ。もう行くぞ」 「あ、おう」 急ぎ気味に歩く広田の後を、慌てて着いて行く。 そして不意に、津田のことを思い出した。 そういえば。 会った時に話そうと思ってたんだっけ。 大した話じゃないのかもしれないけど、さっきの広田の言葉を聞いた後じゃ ますます話さなきゃいけない気がした。 些細なことでも、俺だったら気になる。 だから、広田にはそんな気持ちを味合わせたくない。 そう考え、今日のバイトが終わった後、広田の家に行くことを思い付く。 「なぁ広田。今日バイト終わってから家行っていい?」 「ワリ。今日は休みもらってるし迎えには行けねぇからナシな。また今度」 「別に俺は送り迎えとかいらねぇし、」 「…………また今度な?」 ダメだ。 もし黙って夜に広田の家へ行けば、100%怒らせちまう。 仕方なく頷くと、広田はまた前を向いて歩き出した。 しょうがない。 今日のバイト帰り、電話で話すか。 そう考えながら、津田のことはすぐに頭の中から消えて行った。
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