第10章

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俺は。 死んだのかな。 意識が暗闇を漂う中、遠くから声が聞こえる。 それでも、その声は届いて来ない。 考えるのは、広田のことばかり。 喧嘩別れ、しちゃったな。 もしあれが最後だったのなら、めちゃくちゃ悔いが残る。 ごめん、って謝って。 仲直りして。 恥ずかしがる俺に、広田がキスして来て、さ。 何だかんだ言いながら、俺もまんざらじゃなくて。 ていうか、嬉しく、て。 バカじゃねーの、って言いながら笑うんだ。 そんないつもの事が。 死んだらもう、出来ないんだなって、思ったら。 意識の中なのに、なんか泣けて来た。 広田に、会いたい。 会いてぇよ。 広田。
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