2976人が本棚に入れています
本棚に追加
/372ページ
俺は。
死んだのかな。
意識が暗闇を漂う中、遠くから声が聞こえる。
それでも、その声は届いて来ない。
考えるのは、広田のことばかり。
喧嘩別れ、しちゃったな。
もしあれが最後だったのなら、めちゃくちゃ悔いが残る。
ごめん、って謝って。
仲直りして。
恥ずかしがる俺に、広田がキスして来て、さ。
何だかんだ言いながら、俺もまんざらじゃなくて。
ていうか、嬉しく、て。
バカじゃねーの、って言いながら笑うんだ。
そんないつもの事が。
死んだらもう、出来ないんだなって、思ったら。
意識の中なのに、なんか泣けて来た。
広田に、会いたい。
会いてぇよ。
広田。
最初のコメントを投稿しよう!