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「っ!!っ……んぅっ……!!」
すぐに舌がするりと入り込み、驚きで完全に頭が付いていかない俺は、そのまま簡単に舌を絡めとられてしまう。
えっ
え!?
ぇえっ!!??
全身に火がついたように、体温が一気に上昇した。
反射的に振り払おうとした手も、すぐに広田へしがみ付く為だけの支えへと変わり。
ゆっくりと掻き回される口の中が、やばいくらいに感じてしまう。
「んーっ………っ………!!」
微かに唇が離れたその隙間から、俺は必死に息を吸い込んだ。
「……クジ当たっただけであれとか……可愛いすぎんだろ、お前。」
少し体を離すと、広田は嬉しそうに目を細める。
「っ~~~~~っ!!」
顔が熱い。
信じられない。
皆の前で、こんなっ………!!
「………軽く殺意を覚えたんだけど。なに、殴っていいの?」
冷ややかな視線を送って来る圭介に、俺は顔を真っ赤にしながら金魚のように口をパクパクと開閉する。
「だっ、だっ…だってこいつが!こいつがいきなりっ……!!」
「何だよ、足りねーの?」
「あほかぁああ!寄るな、バカ、離れろ!!」
必死に広田の腕から逃げると、そのまま真司の後ろへ回り込んだ。
「 ちょっと、恭平。俺を巻き込まないでよ。」
あぁ、なんか真司が冷たい!?
俺と広田が付き合うようになってから、一応ハッピーエンドという事になったんだろうか。
悩んでいた時のあの皆の優しさが、今はなんだか懐かしい…。
「広田!!おま、っ…所構わずそういう事すんの、やめろっつってんだろ!?」
そう。
付き合い始めてから。
広田は、変わった。
こんな風に。
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