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カタカタ
暗い部屋にパソコンのキーボードを打つ音だけが響く。
「あー、暇だなぁ」
僕の名前は雨宮 理音(あまみや りおん)、17才、職業ニート。
自分の事を僕なんて言っているが、れっきとした女である。
一年生の時にいじめがきっかけで高校を中退したため、ニート歴は約一年。
ちなみに今僕は暇だ。
どれくらい暇かっていうと、脳内で誰かに語りかけるくらい暇。
お気に入りの小説や漫画は読み尽くしてしまったし、ゲームもさっき全ルートをクリアした。
「勇者召喚でも起こんないかなぁ……」
別に勇者になるつもりも、召喚に巻き込まれるつもりも毛ほどもないけどね。
でも、勇者召喚って見てる分には面白いと思う。
召喚された人からしたらふざけんなって感じだろうけど。
ふと横にある時計を見ると、もう午後8時になっていた。
そろそろ『彼』がくる頃だろう。
「理音!!」
慌ただしく部屋に入って来たのは、幼なじみである夏川 海里(なつかわ かいり)17才。現在高校二年生でバスケ部の主将、さらには切れ長の目を持つ美人系イケメンである。
その上優しくて、勉強もそこそこ出来るから女子に物凄くモテる。
実際、僕のいじめの原因もこいつだったりする。
けどまぁ、別に王道主人公みたいに性格に難ありな訳でもないし、ハーレム作ってる訳でもないから普通に仲良くしてる。
「お帰り、海里。
イケメン爆発しろ」
「た、ただいま…。って文章おかしくね?」
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