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「無理に決まってるじゃん。そもそもどうやって助けたらいいのかわかんないし。 それによくあるでしょ、勇者召喚の時近くにいた一般人が巻き込まれるの。僕、そんなの嫌だもん。」
本当は、めんどくさいだけなんだけど。
海里を見ると、もう体の半分ぐらいは魔法陣に埋まっていた。
僕は魔法陣に少しだけ歩み寄る。
「まぁ、とりあえず…ドンマイ?」
そろそろ本格的に逃げよう。
そう思って踵を返し、歩こうとする。
けれど、全く前に進めない。
それもそのはず、海里が僕の足首をしっかり掴んでいたのだから。
「ちょっと!?離してよ!!」
「絶対嫌だ!!」
離そうと振ったり引っ張ったりするけど、所詮はニート歴一年のか弱い女子が男子高校生に力で勝てるはずもなく。
ひときわ強い光に包まれて、僕の意識はホワイトアウトした。
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