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でも、
ーー覚悟を決めなちゃ
唇を噛み締める。
「なら、僕は自分を売ります」
そう、啖呵(たんか)をきると三枝さんは目を見開く。
「……それは、この家の借金をご自分の体で払うって事ですか?」
僕は一度だけ、ゆっくり目を閉じると、
瞳を開け、三枝さんを見つめ返した。
「ええ。だって今、この家を守れるの 僕しかいないでしょ」
と、まあそんな訳で。
この日、僕は家の誇り為に自分を売ると決意したのだった。
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