京都へ

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「月には、人の心を癒す力が宿っているんだよ」 幼い頃、亡くなった父がよくいっていた。 小さかった僕はどんな意味があるのかわからなくて。年を重ねる毎に夜空を眺める習慣はなくなっていたんだけど。 祖父と桜がいなくなってからは 本当に辛い時は月を見るように なってた。 清みきっている夜空に浮かぶあたたかな光。 まぶしくて まぶしくて 切なくて だから今も月の明かりを浴びている一哉さんを見て。 どうも、視界がぼやけてしまう。 神様はイジワルだ。
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