最終決着

20/34
前へ
/426ページ
次へ
「はーーわかった。俺の考えすぎか」 「え、えっと?」 「なら、少し触っておくか。いいか? 」 顔色一つ変えずに話すから、何がいいのか質問してくる一哉さんがことがよくわからなかった。 でも、フローリングの床が軋む音が聞こえると一哉さんが近づいてくる。 先が見えない未来なのに僕には側にいてくれる人がいる。 幸せを顔を浮かべて一哉さんに微笑む と 「っ……?!」 一瞬、びっくりして時間が止まった音がした。 一哉さんの手が髪を撫でて僕の髪ごと頭を掴むと持ち上げる。無防備になった首元に一哉さんの顔が埋められた。 僅かに触れて首にチクッて痛みが伴った。 「え、あ……待って一哉さん」 「待って、か。優はいいっていったよな」 「いいって、言いましたけど。あの、僕の手を握って一緒に側にいてくれるとかじゃなくて?」 「優はそんな位でいいのか。俺は、もっと触れたい。正直、同居していた時とは違う。許しがでたんならプラトニックでいられるほど自制心はないぞ、俺は」 僕が戸惑いに浅いため息を吐くと同時にそのまま舌を入れられそうだった。 「わ、ま、まって」 僕は驚きの余り、身体は逆くの字と変化させた。
/426ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2528人が本棚に入れています
本棚に追加