最終決着

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目の前の世界がぐらりと変わり、ソファから落ちそうになると一哉さんに抱きしめられていた。 身体を少し外すと僕の上着のボタンを一つ、一つ外した。一哉さんが大きく息をふるわせている。 夜色の瞳がふっと甘い笑みを浮かべた。 触られる度に甘やかして触れられているはずなのに不意に原因不明の喪失感が襲ってきた。 僕は、一生一哉さんにこうやって優しくしてもらって生きていくつもりなのかな? どうしようもなく込み上げてくるものが一気に募ると、 「や、やっぱり、待って」 「なんで」 「なんでって」 僕の手の平をとられて、舌でなめられると変な声が僕から上がった。 「ひぁ、あ、まだ、駄目です。一哉さん。ぼ、僕、今貴方に何もしてあげてなかった。ちゃんとしてからじゃなちゃ駄目です」 「は?」 一哉さんが目を細めると動きを止めた。その隙に僕は体を起こして一哉さんに手を添えて聞いてみた。
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