2522人が本棚に入れています
本棚に追加
/426ページ
「確認したいことがある。真実をだ。
高嶺氏の会社を倒産まで追い詰めた元凶はあんただろう。
俺が調べた所、高嶺氏の会社の運転手を買収したんだ。そして、桜の病気のことで高嶺氏を出国させる機会を狙っていた。社長がいない会社に部下を使って細工をした。会社一つを潰すことなんてわけないだろ。あんたは汚い真似をして会社を拡大してきたのだから。
優は、ただ桜が逃げないようにあんたに利用させただけだろ。
それについては、言いたいことは? 」
「ほう、事実を証明できる資料はあるのか」
「それについては、慧が会話を録音して保管していた。親父の手元にあるのがそのファイルが資料だ」
「なるほど。慧が私を裏切ったというか。は、だがそれだけで私に勝てるとでも思っていたのか。小賢しい真似で追い詰めたつもりか」
二見社長の声には微かに怒りがこもっていた。
最初のコメントを投稿しよう!