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「では、これではどうだ」
一哉さんが茶封筒を片手にもちあおいだ。
「高嶺氏の手掛けていた沖縄の立体建築のミュージアムの計画だ。上手くいかなかったのは何者かが産業廃棄物を土地にばらまいたからだ。
同じ時期に、二見グループの系列会社から金が横領されている。これが金額と金の流れの内訳がかいてある隠し口座だ。振込先は裏社会でも有名な会社だ。親父は、百合の画廊で資金洗浄で上手く隠したつもりだろうが何が行われたか検討がつく。
裏社会の人間を使って親父がやらせたんだろ。
これは、二見グループの投資家達を裏切る行為だと思わないのか」
「なるほど。お前の望みは、借金を利用してその高嶺の子に危害を加えさせないことか。 なら、お互いの弱みを伏せてまるくおさめようじゃないか」
「ふざけたこといってんじゃねぇよ!!
親父との取引には応じない。高嶺氏の会社は親父が悪どい手をつかわなければ会社は倒産まで悪化しなかったはずだ。
あんたには3年以上の実刑がおちるだ。どうする?このまま俺は下のマスコミにリークしてもかまわないが」
「貴様!!」
金属が激しくぶつかる音が鳴り響き二見社長が椅子から立ち上がったのがわかった。
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