2521人が本棚に入れています
本棚に追加
/426ページ
激情にかられていて、右手を上げて一哉さんの頬を叩こうとしている。
僕は、咄嗟に二見社長に飛びかかった。
「よしなさい、高嶺君」
三枝さんが大声を出す。
二見社長の右手掴み、自分の胸元に向けたらすでに遅かった。体重の軽さが禍して僕は逆に床に放り投げられた。
「優!!」
腰に痛みが走って、一哉さんが目の前にかがみこんでいた。両手で臀部を押さえながら、大丈夫と言おうとしている所でふたたび三枝さんの声がした。
「 社長。高嶺君への暴力行為はお止めになって下さい。もう、わかっているのでしょう。一哉が言った事実が公になると二見グループの株価が暴落し大打撃をうけることでしょう。
社長の敗けです。
今は、系列会社へのダメージを最小限にする解決策を考えてみましょう」
二見社長は、身震いしていた。
黒いスーツのボタンを指を震わせながらとめた。
そして、茶封筒を一哉さんから奪い、部屋からでていってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!