最終決着

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激情にかられていて、右手を上げて一哉さんの頬を叩こうとしている。 僕は、咄嗟に二見社長に飛びかかった。 「よしなさい、高嶺君」 三枝さんが大声を出す。 二見社長の右手掴み、自分の胸元に向けたらすでに遅かった。体重の軽さが禍して僕は逆に床に放り投げられた。 「優!!」 腰に痛みが走って、一哉さんが目の前にかがみこんでいた。両手で臀部を押さえながら、大丈夫と言おうとしている所でふたたび三枝さんの声がした。 「 社長。高嶺君への暴力行為はお止めになって下さい。もう、わかっているのでしょう。一哉が言った事実が公になると二見グループの株価が暴落し大打撃をうけることでしょう。 社長の敗けです。 今は、系列会社へのダメージを最小限にする解決策を考えてみましょう」 二見社長は、身震いしていた。 黒いスーツのボタンを指を震わせながらとめた。 そして、茶封筒を一哉さんから奪い、部屋からでていってしまった。
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