今回はきちんとするよ。

2/3
前へ
/5ページ
次へ
 例えば、国語のテストでこんな問題が出題されたとする。 「『恋』と『愛』の違いを答えよ」  さてこの場合なんて答えるのが正解か?  背景まで語るとするなら、この出題者である国語教諭は、女性であり最近付き合っていた彼に二股されていたと仮定してみよう。  その憂さ晴らし? 八つ当たり? 真実の究明? はたまた自身のアイデンティティーの維持?  そんなもののためにこんな問題を作ったとする。  さあさあ、どうやったらこの性格の悪い失恋教諭から赤丸を貰えるのか?    そんなの簡単である。  俺は、迷いなくこう答えるね。 「『恋』とは下心であり、『愛』とは真心である」 「思う」ことも「志す」ことも「忍ぶ」ことすらも下心。  真心は、唯一無二「愛」だけなのだ。  いやぁ、自分で言っていてもほれぼれする回答だと思う。  自画自賛? 手前味噌?  何を今さら、と弁明したいね。  え? 意味が分からない?  そんな人物には、漢字辞典を推奨するよ。(ヒント・部首)  さて、当然ここまでの話は俺の妄想であり空想であることは、言うまでも無い訳で。  見てみるべきは現実だ。  カエルの輪唱が気になり始める季節。  ジェーンブライドという企業戦略の網が張り巡らされ、そんな幸せムードが満盈するこの月間。  時は、六月である。  湿度の上昇と共にカップル同士の熱気で地球が火照り、地球温暖化が進んでいるのではないかと心配になるなんてことも無く、俺は夏服に袖を通した。  ただそれだけだった。  結局先ほどの自問自答は、なんだったのかって?    なぁに、ただの自己紹介の前ふりさ……。    
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加