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「口封じならちゃんとできてるよ。だから心を弄ぶような事は止めて!」
「すみません……」
私は顔を上げて一十瀬君の唇に口づけた。
「私は……好きだから……もう……好きになってしまったから……」
唇を離して泣きながら一十瀬君を見る。
一十瀬君は微笑んで私の唇にふわりと唇で触れた。
「僕、帰りますね」
私は一十瀬君から離れて一十瀬君を見つめた。
「僕があなたの気持ちに応えなかった事でいずれあなたに裏切りたいという思いが出てくるでしょう。あなたが裏切らないために僕はなんだってしますよ。恋人関係に……深入りしないならなっても構いません。形だけになるでしょうけど……」
「ううん、いいよ。裏切ろうなんて思わないし、ちゃんと好きになってほしいから。私頑張る」
一十瀬君は微笑んで、
「おやすみなさい」と言い、ドアを閉めた。
私は床にへたり込んだ。
……諦めない。
諦めない!!!!!!
なんか、一十瀬君、恋人居なさそうだったし、一十瀬君のメアドもゲットできたし!!
電話番号もメアドと共に手に入れたし!!
これからだこれから!!
一十瀬君とのキス……思い出すと苦しくなる。
あんなに簡単にキスできちゃうんだ……。
そう思うと余計苦しくなる。
また……キスしたい……一十瀬君……。
諦めないよ……。
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