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「あなたもですか?」
――!?
私は目を見開いた。
一十瀬君!?
一十瀬君の声がして後ろを振り返ると、そこにはラフな格好をした一十瀬君が立っていた。
「僕も見に来ちゃいました」
一十瀬君がにこやかに微笑む。
「会話、気を付けてしてください」
一十瀬君が警察を一瞥してから私の目を再び見る。
「……一十瀬君は……なんで私が解ったの?」
「え?あはっ。それで変装しているつもりですか?僕にはとても変装レベルには見えませんが」
ちょっとカアッと頬が熱くなった。
「なんで来たの?」
「いやぁ、どうなってるかなぁって」
なんて楽観的。
楽しそうな表情をしている。
「あ、そうそう。やっぱり返していただけますか?あれを」
一十瀬君が微笑みながら私を見る。
「あれって?」
一十瀬君が警察を一瞥する。
「あ……解った」
警察にバレるから会話に気をつけろって事ね。
「あれね。解った」
「あなたの家へ歩き出しましょう。連れて行ってください」
「あ、うん」
私は私のアパートの方へ歩き出した。
「一十瀬君も……それで変装したつもりなの?」
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