第1章

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「いらっしゃいませぇ」 店内は良い感じに客の談笑で満ちている。 ラーメンの食券を買い、一十瀬君にも「買って」と目で促し、千円札を渡す。 一十瀬君もラーメンの食券を買い、お釣りを私に手渡す。 「本当にありがとうございます」 一十瀬君の笑顔を見ると、今この瞬間が幸せに思える。 食券を店員さんに渡し、 「あそこ座ろう」 私は一十瀬君を手招く。 席について、真正面の一十瀬君を見る。 「?」 一十瀬君が可愛らしく微笑んでくる。 あまりの美男子っぷりにカァッとなって私は俯く。 店員さんが、お冷やをテーブルに置いてくれた。 「葵さんって、何歳ですか?社会人?」 「えっ」 仕事……辞めたばっかし……。 社会人じゃ……無いよね……。 「転職しようと思って就活中。何歳に見える?」 「ん~……20歳?」 「えっ」 そ、そんなに若く見える!? 思わず頬が緩む。 「もっと年上なのですか?」 「そうだよ」 「えっと……24歳?」 「もっとだよ」 「え?もっと!?」 一十瀬君が驚いている。 「童顔ですね。美人さんだし」 そっそんな……!! 「褒めすぎだよ」 私は真っ赤になった。
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