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「いらっしゃいませぇ」
店内は良い感じに客の談笑で満ちている。
ラーメンの食券を買い、一十瀬君にも「買って」と目で促し、千円札を渡す。
一十瀬君もラーメンの食券を買い、お釣りを私に手渡す。
「本当にありがとうございます」
一十瀬君の笑顔を見ると、今この瞬間が幸せに思える。
食券を店員さんに渡し、
「あそこ座ろう」
私は一十瀬君を手招く。
席について、真正面の一十瀬君を見る。
「?」
一十瀬君が可愛らしく微笑んでくる。
あまりの美男子っぷりにカァッとなって私は俯く。
店員さんが、お冷やをテーブルに置いてくれた。
「葵さんって、何歳ですか?社会人?」
「えっ」
仕事……辞めたばっかし……。
社会人じゃ……無いよね……。
「転職しようと思って就活中。何歳に見える?」
「ん~……20歳?」
「えっ」
そ、そんなに若く見える!?
思わず頬が緩む。
「もっと年上なのですか?」
「そうだよ」
「えっと……24歳?」
「もっとだよ」
「え?もっと!?」
一十瀬君が驚いている。
「童顔ですね。美人さんだし」
そっそんな……!!
「褒めすぎだよ」
私は真っ赤になった。
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