第1章

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「一十瀬君は学校どこ校?」 「……あなたが裏切るかもしれないので教えません」 にこやかにそう言う一十瀬君。 「裏切らないよ……多分」 「どうしたら裏切らないかなぁ?」 「えっ……」 どうしたらって……。 「裏切らないよ。本当に。誰にも秘密にする」 「ん~……」 一十瀬君が考え込んでいる。 私を信用してないみたいだ。 私を口封じさせる方法?を考え込んでいるみたい。 「大丈夫。私、口固いから」 「まだ信用できませんけどね。ちょっと真面目にあなたと信頼関係築いた方がいいな」 「えっと……」 私は……どちらかというと一十瀬君に好感を持っているし……信頼だって……してる……。 とはさすがに言い出せず。 「私は共犯者で全然いいよ」 緊張する。 一十瀬君の美貌に。 ときめいてしまう。 お冷やに手を伸ばす。 「!!」 そっと一十瀬君に手に触れられた。 心臓が跳ね上がる。 「何……を……」 「信頼関係。俺に敵意はありません。あなたに好意的ですって示すためです」 一十瀬君が微笑む。 溜め息が出る。 そっちか。 信頼関係を築きたいがための好意的な態度、か……。 「呆れないでくださいよ。僕なりに……信頼関係築きたいんですから……」 「……信頼……してるから……手……離して……」 「あ……はい……」 「あの……メアド交換する?」 「はい!」 信頼関係築けそうって顔してるな……一十瀬君。 私はスマホを取り出し、一十瀬君もスマホを取り出し、メアドを交換し合った。 「えっと……私が疑わしいならいつでも束縛の電話とかしていいよ。疑いが晴れるまで」 「束縛って。そんな事しませんよ」 一十瀬君が大笑いする。 「はい、当店特製ラーメン、お待たせいたしました」 店員さんが私達にラーメンをくれる。 「いただきまぁす」 一十瀬君が朗らかにそう言ってラーメンを食べ始めた。 私も食べ始めた。 温かい……美味しい……。 緊張が解けてく……。
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