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バツ印を描くように袈裟と逆袈裟に刃を走らせる。
当たりこそすれ、けずるとまではいかず、そのまま逆袈裟に振り抜いた勢いで鎌を左手で背後に通し、右の後ろ手で刃側近くの柄をつかむと、そのまま引き寄せ前面に戻し両手で握って盾のように前へ突き出す。
刃で反撃のトゲをせき止める。
そのままトゲの戻りざまに一気に踏み込んだ。
すくうように下段で斬りつけ、棘饅頭はふわりと一本の樹木の辺りに鈍い音とともに落下する。
新人くんがその場で汗をぬぐう。ひと仕事を終えた感すら漂わせてながら空いたボトルを取り出す。
――私はそれを樹上から眺めていた。
はじめに与えられた死神力と仮称すべき大きなかたまりは、その後の戦闘の方法によってかたちを変えていく。
私はながいあいだその死神力のかたまりを圧縮して堅硬にしようとしていた。
鍛造された刃を理想としていたのだ。しかし実際の私の想像は靭性を考慮していなかった。
ただ堅硬なだけなのだ。だから、同じように硬いこの悪霊相手に刃が欠けたのである。
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