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硬いだけなら、許容範囲以上の衝撃を受ければひとたまりもなく砕けてしまうだろう。こうして私とこの棘饅頭がやりあったとして、両者がじわじわと消耗していくだけで決着はなかなかつかない。
いや、私がじきに致命的な反撃を受けて倒れるだろう。相手は損傷に無頓着だからな。
だから、私の攻撃を変えるのだ。
それは認識の変更だ。
われわれの力の根幹は認識するという行為と密接に関わっている。
その認識を変えられれば、できないことはない。
私はまぶたをとじて意識を集中する。
心のなかに想起した死神力は、研磨された三日月のような刃だった。持ち手もないその三日月をどんどん熱するようにイメージする。
やがて、
ポップコーンめいて内側から爆発した。
それは満月のすがたに変わっている。
瞑目したままひとりほくそ笑む。
目をあける。手にする鎌に変化は見られない。
だが、確信があった。確信以外は必要なかった。
『標的』はほぼ真下、十メートルの位置。私は鎌を振りあげながら、空中へと飛びこんだ。
落下の勢いをのせて――身を丸めるように得物を振るう。
――――打ち、砕く――――!!!!
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