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02
百道キナ(ももち――)という死神が私である。
首の後ろでしばった長い金髪。白いブラウスの上に真っ黄っ黄のカーディガンを羽織る。穿いているベルボトムのジーンズの両すそにはひとつずつ哄笑するスカルがあしらわれている。
誰がなんといおうと私なりの死神としての正装だった。
身長160センチ強、体重はころころ変わる。そもそも肉体はない。しょせんは人の肉体をかたどった霊体なのだ。その気になれば空も歩けるだろうが、人間のかたちを取っている私たちは人間の性質に近い存在となっているのでそれはできない。
人は空を飛ばないものだ、という認識が人に似た私たちを縛めている。
同時に、死神である、という認識が私たちの力の根幹となっている。
普通の女の子は自らの身の丈を超える鎌を自在に振り回せたりしない。私は死神だからそれができる。並みの人間なら骨折するような高さから落ちても平気だし、常人が即死するような怪我でも持ちこたえられる。
しかしやっぱり怪我はしたくないというのが本心である。
そんなの普段は忘れているがな、なぜなら死神は普段の仕事で怪我なんてしないのだ。
今回だって、怪我はしないと、
そう、思っていた。
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