第3章

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商品はなんでも、といってから、取り繕う。 「なんでも、と言うと皆さん不審に思われますね。でも本当にそうなんです。フルーツから、まあ、軍需物資まで、手元に来ればなんでも。ああ、そういえば以前、友人の歌手に日本でのプロモーション契約の申し出をしたら、あなたの力は必要ないと断られました」 よくわからないツボでくすくすと笑う。 鈴木の横顔を、栞はお付き合いで笑いながら眺めて、思った。 これらはパーティで質問攻めにあっているから、すでにテキスト化された答え。 栞自身も婚活パーティに出るときは、多少脚色した自己紹介をテキストとして頭に入れている。
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