この声は

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______死ぬのなら、簡単かもしれない。 ふと、そう思えた。 ______誰からも愛されないのなら、生きている意味なんてない。 飛び降り防止のために張ってあるフェンスも意味はないな。 乗り越えてしまえばホラ……一瞬で飛び降りることが出来る。 ______最後くらいは…… 「愛されたかった……」 死ぬというのにやけに頭は冷静で、足場の無い、ただ空気の漂う死の空間へ、足を踏み出そうとした。 その時、 「何をしているんだっ!!!止めろ!!」 屋上に響いたのは俺を引き留める声だった。
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