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「ああ田中かい!
あいつ、本当に暗かったからね・・
いつもぶつぶつ独り言言ってたしね
気持ち悪かったよ」
「おたくだよ・・・
一度家に遊びに言ったんだけど、
アイドルのポスターや
切り抜きが部屋の壁にびっしり・・・」
「後さ、
インターネットじゃない時代に、
パソコン持ってて、98持ってたよ。
なんだっけパソコン通信したり、
高校生なのにテレビゲームに
はまってたり・・・・」
中の一人が、
写真を見せてあげるから、
と自分の家まで連れて行ってくれた。
「こいつ、こいつ」
確かに、
めがねをかけて、
小太りで、
まさにオタクの典型。
いまでこそ、アイドルのマニアは
数がふえコミュニティもあり。市民権が
あるが、30年前には、少なかったのだ。
だから同期生は、おしなべて
気持ち悪かったと表現した。
しいて言うと、オタクだが
弱々しくはない
身長が180センチ以上あり、
大柄である。
実は、これは意外であった。
オタクと聞くだけで、貧弱で弱々しいと
考えてしまうのは、宅八郎の作り上げた
パブリックイメージに過ぎない。
メジャーのエースが、モモノフで
あるように、身体的能力の長けた
オタクは、珍しくない。
ガードマンは、オタクをぱぱっと
軽く倒したのではなく、むしろ、
巨体の大男二人が死闘を繰り広げたと
考えるべきだろう。
だからこそ、返り討ちで
死に至ったのだ。
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