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「え……?」
ナニガ、オコッタノ?
「亜弓!」
「あーちゃん!?」
パタパタと駆け寄ってくる足音と、私を呼ぶ浩二とハルカの声に、ゆっくりと視線を巡らす。
街灯の、青白い丸い灯りが落ちかかる歩道。
私は伊藤君に抱え込まれて、彼もろとも、その歩道の地べたにへたり込んでいた。
ううん。
『伊藤くんを下敷きにして』と言った方が正確だ。
「気を付けろっ、馬鹿野郎!!」
車道から浴びせかけられた見知らぬ男性ドライバーの怒声に、思わずビクリと体がすくみ上がる。
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