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だけど彼女は僕の予想通りに黙り込むから、僕はマズかったと後悔した。
「すんません…。やっぱり良いッス。失礼しますね。気にしないで下さい!」
僕はキャップ帽を被り直して一礼をし、チョコ寮の玄関ホールを出て行こうとした。だがその時、彼女が「あまり気になさらないで」と小さく言ったのが聞こえた。
僕は、思わず振り向いた。だけど彼女は小包を持って、もう寮へと入って行ってしまっていた。
これは五月の事だった。
こうやって、僕がチョコ寮のその男の子宛の宅配物を届けに行くのは、四月から毎日だ。
だけど三ヶ月位経った頃だった。
男の子宛に届く宅配物の頻度が日に日に減って行ったのは。
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